音楽談義室

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音楽談義 vol.27 特別編 「ライブバンド」スピッツの確立された地力

 行ってきました

 

SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 MIKKE

 

 ずっと待っていた。9月にチケットが当たってからこの3ヶ月、常に頭で考えていた。やっとか。ついにか。そういう思いでいっぱいだった。

 

 今回はアルバム「見っけ」の曲たちのツアー。今回のアルバムはライブでどう演奏するのか、いい意味で全く想像ができなかった。前作の「醒めない」、その前の「小さな生き物」はある程度ライブをイメージすることができたが、今回はどうなるのか全くわからなかった。期待を胸にいざ会場へ。

 

 
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座席は…うん。なんとなく覚悟はしていた。真横かぁ…と落胆しながら、開演を待った。以下、ネタバレありの解説。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まずオープニングSEはなく、メンバーが登場した一曲目は「見っけ」。ステージの前に立てられていた光る柵みたいなものが上がりながら一気にギターが奏でられる。「見っけ」の歌詞の冒頭は「再開へ!」。この言葉の持つ意味は大きい。スピッツに会ったのは去年のファンクラブ限定ライブ以来かな。そこから「再開へ!」。感動しないわけがない。ギターソロやシンセサイザーのキラキラした音がライブだとより映える。二曲目の「はぐれ狼」、三曲目の「エスカルゴ」、四曲目の「けもの道」はいずれもシンプルながらスピッツのバンドとしての完成度の高さが伺える。「はぐれ狼」の大サビ前のスライドベースは震えるし、「エスカルゴ」でボーカルの草野さんがお立ち台に上がってギターを弾く姿はロックスターそのものだ。一気にフロアが熱くなる名曲達のオンパレードから五曲目は「小さな生き物」。「負けないよ僕は生き物で抱き締めて温もりを分けた小さな星の隅っこ」という詞はちっぽけながら毅然と立ち向かう精神的な強さを感じた。五曲目が終わるとMC。武蔵野の森でライブをやるのはこれが初めてだというスピッツ。「アリーナの最後尾の人に届くように歌うんでよろしくお願いします」というメッセージを投げ掛けた。

 MC明けの六曲目は「遥か」。コーラスワークが見事に冴え渡る一曲。PVもどこか不気味な雰囲気の漂う曲だ。転じて「ラジオデイズ」で突き抜けた清々しいロックナンバー。メンバーがロックを知るきっかけとなったラジオへのしたたかな想いが綴られている。「僕のギター」、「ミーコとギター」といった中々聴くことのできなかった曲も聴くことができた。ハイライトはやはり「まがった僕のしっぽ」だろう。一気に加速するテンポをライブで物の見事に再現しており打ち震えた。「8823」、「俺のすべて」といった定番曲の後に「春の歌」を披露したところで本編は終了した。

 アンコール一曲目は「醒めない」。前作のタイトルナンバーだ。「まだまだ醒めないロック大陸の物語」というメッセージは確実に見っけの曲達にもつながっている。二曲目は「桃」。ファンクラブツアーでも高い得票数を記録する隠れた名曲だ。アルペジオが空間の広がりを演出する。最後に披露した曲は「ヤマブキ」。アルバムの最後を飾る名曲はアンコールの最後で演奏された。ちなみに、筆者は本編最後でやると思っていたが、アンコールラストのヤマブキも素晴らしい。最後のアウトロで見っけのイントロで使われたシンセサイザーがリフレインし、そのシンセサイザーが止まったところで一斉にバンドが音を鳴らして曲を閉じる。最高だ。

 

 武蔵野二日目はこのような感じだった。新作の中だと、特にはぐれ狼はかなりライブ映えする曲であった。花と虫、ブービーが演奏されなかったが(初夏の日は京都限定曲なので除外)、この二曲がホールツアーでは聴けることを期待している。

 

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