音楽談義室

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音楽談義vol.33 インディーズロックの原点、The Velvet Underground

 良質な音楽であることと、商業的に成功する音楽であることは決して同義ではない。今回紹介するアーティストは、その音楽性は優れていながら、しかし一方で商業的には成功しなかったアーティストだ。

 

 The Velvet Underground、彼らの名前はインディーズの音楽を聴くならば必ず知っておくべきである。そもそも世に広まっていない音楽を「アンダーグラウンド」と呼ぶことが広まったのも、彼らの存在が大きい。そんな彼らの曲を早速聴いてもらおう。

 Sunday morning。この曲が発表されたのは1967年、そうビートルズがまだ現役で活躍していた頃だ。アメリカの当時の音楽はドアーズやビーチボーイズなどであり、陽気な曲達でチャートが埋まっていたが、一方で密かに内向的なサイケデリックロックも同時期に花開いていたのは感慨深い。

 

 彼らの音楽は大セールスになることはなかった。理由は色々考えられるが、アメリカ人の陽気な人柄と彼らの排他的な世界観は真っ向からぶつかるようなものであったことはその理由の一つと考えて差し支えない。要するに、嫌な言い方だがアメリカでやるには根暗すぎたのだ。しかし、音楽的功績は計り知れない。次の曲も次世代へと繋がる曲だ。

 敢えて安っぽく歪ませたギターの浮遊感がたまらない。こういうノイズっぽいギターの発想が後のリバイバルサイケブームの源流になったのではと思っている。

 

 彼らの底知れぬ実力はこれだけではない。彼らはただ実験音楽のようなことを繰り返していただけでなく、ポピュラーな音楽を作らせても一流だ。彼らはこのアルバムをあまり気に入っていないようだが、皮肉なことにこのアルバムが最も売れている。

 Cool it down。ビートルズのTicket to rideの頃(初期〜中期)に音色が近い。でもちゃんとThe Velvet Undergroundなんだと認識させてくれる。本人たちのやりたい音楽とは違ったかもしれないが、それでも実験音楽などを諸々経験してたどり着いた音楽は、最初からポピュラーなものをやろうとしてたどり着いた物とは一線を画すものだ。

 

 今回はThe Velvet Undergroundを紹介した。正直次に紹介するアーティストを全く決めていないのだが、思い切って誰もがわかるミーハーなところを攻めてみても面白いかもしれない。じゃ、Netflixジョジョ見てきまーす。