音楽談義室

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音楽談義 vol.12 ニューウェーブの王様、The Cure

 人と話すよりも犬や猫といった小動物と触れあう方が好きな筆者。散歩している犬や野良猫が度々寄ってくる。先日も数百メーター程野良猫が追いかけてきて、頭を撫でたらゴロゴロ喉鳴らしていて尊かった…。

 

 今回紹介したいアーティストはThe Cure。80年代ニューウェーブと言われたら真っ先に出てくるアーティストだ。そもそもニューウェーブの解説からしよう。その為にはロックの歴史を紐解いていく必要がある。

 

 ロックの最初はビートルズローリング・ストーンズがその担い手であった。時は進んで60年代末、ビートルズが伝説のアルバムであるアビー・ロードを出して程なくして解散すると、チャート一位にはアビー・ロードが数ヶ月間燦然と輝いていた。そんな一位を引きずり下ろしたのがキング・クリムゾンだ。彼らのIn The Court Of The Crimson King、通称宮殿と呼ばれたアルバムによって首位陥落となったのだ。その後70年代はキング・クリムゾンピンク・フロイドに代表されるプログレ、クラッシュやダムドに代表されるパンク、ディープ・パープルやレッド・ツェッペリンに代表されるハードロックの3つに分かれた。そんな音楽達にリスナー達も飽きを感じ始めたのが80年代だ。プログレは前衛に走りすぎて一部のリスナー以外はついていけなかったし、パンクやハードロックにはない耽美さや儚さを歌にしたい、ニューウェーブはそんな若者達の受け皿となった。そんなところも踏まえてまずは一曲聴いて欲しい。

代表曲のBoys Don't Cry。それまでのギターサウンドとは大きく違った世界が展開された。ギターリフも印象的でどこか寒いような音の使い方。底から明るいアメリカンロックとは違って、どこか薄ら寒いと形容されるブリティッシュロックの代表格だろう。

 

 そんなThe Cureだが、日本での評価は驚くほど低い。日本だと同時期に活躍したThe Smithの方が圧倒的に人気かな。特にアーティスト間ではかなり評価されている(スピッツ草野マサムネさんやL'Arc~en~Cielのhydeさんが影響を公言している)が、リスナーの評価はぐっと低い印象。なんでもThe Cureのメンバーは日本が嫌いだとかなんだとか。それじゃあ一生日本でライブはないかな…と思っていたが、今年のフジロックに来日して下さいました!感謝!

そんなフジロックでやった曲からLast Danceを挙げたい。イントロのベースのハイフレットでのフレーズがいたなくてかっこいい。ベースのサイモン・ギャラップは長年The Cureに属していて、サウンドの核となっている。キャリアのほぼ全てにおいてThe Cureに在籍している彼の音なしではThe Cureの本質は語れない。ピック弾きで無骨な感じはパンクからの影響も少し感じる。

 

 どっからか沸き上がっていたThe Cure、日本嫌い説は結局ガセに終わった。むしろ向こうは来てくれたのに、日本のリスナーは過小評価しすぎである。頭下げなきゃ。そしてなんとなんと、今回のフジロックに刺激を受けたらしく、来年は単独で来日してくれるらしい!嫌いとか全然嘘じゃんという。こりゃ行かないとね。来年はニューオーダーThe Cureといったニューウェーブ系の来日に目が離せない。そんな彼らのツアーを待ちながら最後に一曲。Kiss me,Kiss me,Kiss meという名前の二枚組の長いアルバムなんだけど、このアルバムが一番好きかもしれん。そこから一曲

しょっぱなから歪んだギターの印象的なリフ。だけれども、ハードロックのそれとは歪ませ方も違う。長らく不遇だったジャガーやジャスマスターというギターが再評価されたのは、ニューウェーブというジャンルが一役買っている部分が大きい。

 

 そんな訳でThe Cure特集はこれにて終了。2020年の来日は絶対に行きたい。フジロック見た人も感想として「こんなかっこいいバンドがあったなんて知らなかった」「初めて聴いたけど癖になるバンド」と述べるなど、かなり評価されていた。日本でもThe Cureがもっと認知され、評価されることを願ってやまない。次回は同時期か少し遅れて登場してきたもう1つのニューウェーブのバンドについて迫っていきたい。ヒントは打ち込みのドラム。ではでは~、明日は10km走って体力強化してきます。