音楽談義 vol.23 ヨーロッパジャズ特集②
前回の特集からかなり空いてしまったが、ヨーロッパジャズ特集をまたしていく。前回はピアノトリオを中心に解説したが、今回はジャズギターの魅力を解説していきたい。なお、今回の記事をまとめる上でJazz guitar magazineをかなり参考にした。ここで断っておく。
今でこそロックの代表的な楽器として認知されているギターだが、ジャズでのギターの役割も避けては語れない。ロックとは全く違ったトーンやスケールで演奏される、そんな世界も魅力的なのだ。最初に紹介するのはベルギーのDjango Reinhardtだ。なんと1953年に亡くなっている、相当昔のギタリストだ。そんな巨匠の作品から
I love youという曲。三分程度の短い曲だが、トーンの美しさと陽気な気分にさせてくれる楽観的なフレーズはとても印象的だ。録音の古さを感じない、普遍的な魅力を確かに残している。
次はイタリアのDario Chiazzolinoを紹介したい。最近になって注目され始めている期待の新星だ
この曲の魅力はプリングやハンマリングの効果的な使い方だろう。軽くプリングやハンマリングをすることで流れるようなフレーズを際立たせている。後半のコードの鳴らし方もロックのそれとは毛色が異なり、上品な形に仕上がっている
最後に紹介するのはLage Lund。ノルウェー出身のギタリストで、今最も注目のジャズギタリストと言っても過言ではない。
このテクニカルだけれども、こねくりまわしすぎずしっかりと聞き応えのあるフレーズは強く賛美を送りたい。ロックのペンタトニックとはまた全然違うベルトルで展開される。スローテンポで始まって、徐々にヒートアップしていく曲全体の展開も素晴らしい。
今回はヨーロッパジャズ、それもギターに焦点を当てて紹介した。次回のヨーロッパジャズ特集はまたピアノトリオを中心に紹介しようと思う。