音楽談義室

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音楽談義 vol.22 アイドルと侮るなかれ、嵐の隠れた名曲達

 よく「どんな音楽聴いているの?」と言われると「なんでも聴いているよ」と答える人が多い。

なんでもは嘘でしょ

実際聞いてみると、アイドルは聴いていないだとか、ジャズはビックバンドしかわからないとか、環境音楽はわからないとか、なんでも聴いているが如何に嘘かがわかる。

 

 筆者も時たま「なんでも聴いている」と見栄を張ってしまうことがある。実際はハロプロ系のアイドルの曲はわかるが、坂道系は全くわからないなんてこともある。これからは気を付けようと思う。たちが悪いのが、一部の自称「なんでも聴いている」勢は軒並みアイドルソングをバカにしているのだ。

いや、アイドルバカにするなよ

アイドルの曲=量産型の駄曲だなんて誰が決めた?スピッツ草野マサムネさんは「でんぱ組.incのサクラあっぱれーしょんが大好きなんですよ」と公言しており、多種多様な曲に触れることの大切さを示唆している。また、今や名実共にメタル界隈の一流ギタリストであるLoudness高崎晃さんと、今年の日本シリーズの開会式で君が代を熱唱した最強アニソン歌手の影山ヒロノブさんの二人が昔は同じアイドルバンド「レイジー」にいたこともある。アイドルも一概にバカにできないのだ。

 

 さて、本題に戻ろう。今回紹介するのは嵐。数多の有名アイドルグループを排出してきたジャニーズの中でも、ここまで知名度やセールスや実力を持ったグループは後にも先にもないだろう。嵐の唯一無二なところ、それは全員がセンターになり得るスペックの持ち主であるところだ。アイドルグループはどうしてもパワーバランスが偏ることが多い。しかし、嵐は五人それぞれが個性の塊であり、曲によって誰がセンターを務めるかが変わる。圧倒的な語彙の引き出しで流れるようなラップを完成させる櫻井翔、ファン層を考慮した上で老若男女が楽しめるグッズを担当する相葉雅紀、俳優や役者としてアイドルの枠を越えた支持を受ける二宮和也、ステージやセットリストや演出というライブの肝となる部分をまとめ上げる松本潤、天性の歌唱力とダンスで見るものを魅了する大野智。五人のいずれもが、高い能力を備えたグループである。加えて五人は本当に仲が良い。メンタリストのDaiGoが活動休止を発表した嵐の会見で「無責任」と発言した記者を避難した際にも、折に触れて「嵐は本当に仲が良い」「超大物なのに低姿勢で素晴らしい」と話していた。世間からもファンからも愛されるグループである嵐の隠れた名曲達に迫りたい。

 

 実は筆者は12月24日に嵐のライブに行くので、この記事はその予習も兼ねている。世間一般の嵐の曲といえば「Love so sweet」や「Happiness」辺りかと思われる。ちなみにドラマ「花より男子」の主題歌は「Wish」「Love so sweet」「One Love」なのだが、「Wish」だけ知名度が低くて悲しい。あれも屈指の名曲なのに…。嵐の名曲は有名曲だけではない、隠れた名曲達を掘り起こしていこう。なお、著作権上の都合でいつものようなYouTubeのリンクはなしで。あと、よく聴いていた10年近く前の曲がメインとなる。

 

1.サーカス

 不安を煽るようなクラップスから始まる曲。アルバム「僕の見ている風景」に収録されている。ライブの演出も最高にかっここいい。メンバー全員が宙吊りになって登場するシーンは痺れる。「君と僕の見ている風景」ツアーでは国立競技場の巨大さも相まって、曲のスケールの大きさが際立つ。

 

2.夏の名前

 アルバム「One」に収録された曲。ファンからは隠れた名曲として高い評価を受けている曲。感傷的な別れを歌詞に起こし、別れを題材にしながらどこか爽やかさや夏の風の心地よささえ感じる。「少し涙で滲む町をみた」という涙の表現も素晴らしいし、ストリングスの使い方も叙情的である。

 

3.Season

 シングル「Everything」に収録された曲。A面のEverythingも名曲だが、B面のSeasonはカップリングとしては勿体ないくらいの完成度を誇る。この時点で予想するが、おそらくほぼ確実にこの曲は12月24日にやるだろう。巡り続ける季節に心を馳せて、今まで踏みしめてきた道を静かに噛みしめるような曲。リリースから長く時を経て、本人達がこの曲をどう振り返るか楽しみだ。

 

4.Lucky Man

 ライブのアッパーチューンといえばまずはこれが挙がるだろう。櫻井君が「Lucky!」と叫べばオーディエンスが「man!」と返すコール&レスポンスは嵐のライブの定番だ。3rdアルバムの「How's it going?」に収録された曲でかなり古いが、Japonismツアーやハワイでのライブでも披露され、その人気が根強いことがわかる。櫻井君の通称「サクラップ」も全開で、ライブ定番曲として確固たる地位を築いている。

 

5.5×10

 今回結成20周年となった嵐。今回発表された5×20同様に、10周年記念として作られたのがこの曲だ。この曲は「雨の国立」なしには語れない。大雨が降り注ぐ国立競技場で、この曲は披露された。その時のDVDは当時齢10歳ながら鮮明に覚えている。中央の円形ステージで、五人が雨に打たれながら歌う姿は美しいという言葉以外見つからない。今回は20周年だが、敢えて10周年の曲を挙げた。再評価されて欲しい一曲だ。

 

 今回は五曲紹介した。Stillや僕が僕のすべて、Do my  bestなど、まだ名曲揃いだが今回はこの辺りで。活動休止は悲しいが、ここまで最高な五人が20年も走り続けたことに拍手を送りたい。そして、いつか何十年後でも構わないから再結成をしてくれることを願ってやまない。次回は久々にジャズ特集を。では。