音楽談義室

音楽とか文学とか完全に趣味を語るブログ

音楽談義 vol.41 毎日Pink Floydその7『雲の影』

 この外出自粛期間で一番辛いのが漫画喫茶に行けないことだ。本当はHunter×Hunterとかハガレンとか今話題の鬼滅とかヒロアカとか読みたい漫画がたくさんあるのだが、それらが読めないのがストレスだ。そういえば、ジャンプは月額980円で毎月読み放題のサブスクをやっているので興味がある人は登録することをおすすめする。朝の電車内、混んでいて本が読めない時はスマホでジャンプを読もう。

 

 前回の記事にも書いたが、今回紹介するアルバムはこの企画で初めて聴いたアルバムだ。なんせ、このアルバム自体、少し特殊なのだ。この『Obscured by Clouds』(邦題:雲の影)は映画のサウンドトラックである。当時、次のアルバムをレコーディング中に仕事が舞い込んできたPink Floydはレコーディングを中断して、数日籠ってこのアルバムを完成させた。そもそも映画のサントラであることに加えて、数日間で突貫工事的に作られたアルバムだ。あまり評価は高くない。そしてこのアルバムの影が薄い理由は、その前後にリリースされたアルバムがあまりにも名盤すぎたのだ。前にリリースされたのは『おせっかい』で、これはイギリスでスマッシュヒットを記録した。後にリリースされたアルバムはもう世界的大ヒット作だ。となれば、中間にあり、即席で作られたこのアルバムの評価は当然低い。メンバーもそこまで本腰を据えて作ったわけではないらしく、何かと影が薄い。筆者も上記の理由からなんとなくこのアルバムを避けていた。

 

 そして今回、このアルバムを初めて聴いたのだが、感想としては「あれ?そこまで悪いもんじゃないぞ」というところだ。次に出るアルバムが問答無用のモンスターアルバムで、前に出た『おせっかい』はエコーズという傑作を抱えているため、そこと比較するとどうしてもパンチには欠ける。だが、Tr.4の『The Gold's it's in the…』のギルモアのギターがとにかく粗っぽくてかっこいい。こういうサウンドスケープは後の作品と通じる部分が非常にあると確信できる。これに関してはそのアルバムの紹介ですることとする。Tr.7の『Childhood's End』はタイトル通り『子ども時代の終わり』、つまり過渡期に立たされた人間を巧みに描写している。なお、ここで使われる走っているような音や、キーボードの音は是非覚えておいてもらいたい。明日のアルバムと密に関わってくる。このように、確かに影が薄いアルバムではあるが、決して悪い作品ではないよねというところが感想である。というか、個人的にはかなり好きな作品かもしれない。これは聴き込めば名盤に化ける可能性アリなアルバムといえる。ちなみに、前述の通り映画のサントラなので、元の映画ももちろんある。『La Valle'e』という映画であるが、この映画のフィルムがどこにも見つからない。一度は見てみたいものだ。

 

 今回は『雲の影』を紹介した。明日紹介予定のアルバムが超ド級のモンスターアルバムなので、自分如きの拙い言葉で上手く説明できるか些か不安だが、なんとか魅力が伝わるよう善処したいと思う。それではー。

 

名盤度:6

おすすめ度:4(正直あまり聴き込めてないからそこまでおすすめはできない)

 

アルバムジャケット

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とにかく幻想的なジャケット。個人的にかなり好み。